もう埼玉を「ダサいたま」とは言えなくなる。そんなインタビュー記事、できました。

レッド

written by ダシマス編集部

インタビュイー:岡野周平さん

インタビュイー:岡野周平さん

株式会社住んで埼玉の代表取締役。 新卒で楽天株式会社に入社し、新宿御苑で購入した中古マンションをフルリノベーションして住む。 株式会社空の取締役に着任した後も、埼玉県民特有の"東京への憧れ"は尽きることなく、赤坂のリノベ物件に引っ越した。 大好きな東京を味わい尽くし、満を持して西大宮に立ち上げた会社こそ、株式会社住んで埼玉である。 【出身】埼玉県鴻巣市 【埼玉で一番好きな場所】大宮の氷川参道

インタビュアー:高橋綾美

インタビュアー:高橋綾美

"HRお姉さん(自称)"として活躍するインビジョンのコンサル兼採用ハックのYouTube担当。 昔住んでいた群馬県が大好きすぎるあまり、北関東支社の立ち上げを目論んでいる。 【出身】新潟県村上市 【埼玉で一番好きな場所】レンガが素敵な深谷駅

インタビュアー:齋藤彩

インタビュアー:齋藤彩

インビジョンのライター。 お客様の想いを言葉にして届ける仕事にやりがいを感じまくっている。 インタビューでお客様の話を直接聞く時間が大好き。 埼玉生まれ埼玉育ち、純度100%のたまっ子! 【出身】埼玉県鴻巣市(偶然にも岡野さんと一緒!) 【埼玉で一番好きな場所】大宮東口のすずらん通り

2020年6月に待望の法人登記を終えた、埼玉県は西大宮にある"株式会社住んで埼玉"の代表取締役、岡野周平さんにインタビュー!

某ギャグ映画のようなキャッチーな会社名に込められた起業背景や、県民しか知らない埼玉の魅力を伺いました!

 

東京好きの元ITコンサルタントが埼玉で物件紹介をするに至った経緯

 

高橋:「住んで埼玉」という社名にも関わらず、実は東京が大好きという噂を小耳に挟んだのですが・・・(笑)

 

岡野さん:そうそう、僕ほんとに東京大好きなんですよね(笑)

生まれも育ちも鴻巣、高校も志木の方に通う純粋のたまっ子(埼玉っ子)だったんだけど、やっぱり東京を味わいたくて…(笑)

新卒で埼玉支社配属なのに2年目からは北区の王子から通ってましたし、新卒で入った会社を辞める前には東京への憧れが半端なくて新宿御苑に家を買いました。

中古マンションをフルリノベーションして住んでたんですが、3年後に買った時と同額で売れたからラッキーと思って。

今度はさらに憧れの強かった赤坂に引っ越しちゃいました(笑)

 

齋藤:私も同じくたまっ子ですが、東京への憧れ、痛いほど分かります!(笑)

それにしても、買った時と同じ値段で売れるなんてすごいですね…!

 

岡野さん:リノベーションする前はボロい中古マンションだったからね。

それがきっかけで、色んな人に家の相談をされることが多くなったんです。

「あなただったらここがいいんじゃない?」「この物件はここが不便になると思うよ」っていう相談所的なことを、その時から趣味でやるようになってました。

 

高橋:その時はまだ仕事には結びついてなかったんですね。

 

岡野さん:そうなんです。

当時は東京はやりきったけど仕事はやりきってない!と思っていて、友人が立ち上げた会社に3人目のメンバーとしてジョインしました。

そこで取締役にもなったけど、やっぱり自分自身で事業やりたいっていうのがずっとあって、2020年の3月に退任しました。

 

齋藤:起業したいと思うようになったきっかけはあるんですか?

 

岡野さん:父親が工務店業、母親が宅配の手作り弁当業をどちらも鴻巣で営んでて、その背中を見てたからか自分も商売をやるのが当然、と思って育ってましたね。

 

齋藤:お父さんの工務店業が、今の事業に繋がってたりするんでしょうか?

 

岡野さん:住んで埼玉を思い付いたきっかけにはなりましたね。

父親の工務店が、鴻巣駅から徒歩1時間の場所にモデルハウスを作ったんですよ。

 

齋藤:鴻巣駅から歩いて1時間?!そんなの誰も来なくないですか?!

 

岡野さん:鴻巣を知ってる人からしたら、やっぱりそう思うよね?(笑)

でも、モデルハウス自体はかなりいい仕上がりで。

「わざわざ鴻巣までお客さんなんて来る?」っていう疑念はもちろんあったけど、「この家だったらお金払ってでも泊まりたい人いるべ!」っていう自信も少しあって、民泊サイトに掲載してみたんです。

 

最初のお客さんは、東京から来たゴルファーの集団でした。

そこからちょくちょく集客できるようになって、少しずつ値段も上げていって。

そんな時に来た若いグループのお客さんに、「何でわざわざここまで?」って聞いたみたんです。

そしたら、「この家に泊まりに来た」って言ってくれて。

その言葉で、「どこ」に行くかじゃなくて、「だれ」と行くかっていう考え方もあるんだと改めて認識させられましたね。

 

▲鴻巣駅から徒歩1時間!うわさのモデルハウス

 

仕事軸の3つの交差点。それが住んで埼玉だった

 

高橋:前の会社を退任したあとは何をされてたんですか?

 

岡野さん:辞めた頃、ちょうどコロナの影響で自粛期間だったから、ずっと赤坂の家でぼーっとしてたんですよね(笑)

「あれ、今何で赤坂にいるんだっけ?」って考え始めたら、東京にはもう満足している自分に気付いちゃって。

だからやることは固まってないけど、一旦実家のモデルハウスに遊び(引きこもり)に帰りました。

母親からの「1ヶ月は何もするな」というアドバイス通り、突っ走っていた足を一旦止めて、休むことに専念したんです。

そんな風に1ヶ月を過ごして、そろそろやらないとなぁという時に思い付いたアイデアは、"ニーズはあって儲かるだろうけど、自分のテンションが全く上がらない"事業で。

 

『世の中のためになること』『自分の能力を最大限に活かせること』だけじゃなくて、『自分自身がわくわくし続けられること』が必要不可欠だと思ったんです。

その3つの交差点をずっと探してて、交わったのが今の事業でした。

 

齋藤:なるほど!そこから住んで埼玉が始まるんですね!

 

岡野さん:実は最初は埼玉限定で考えてなかったんです。

趣味で物件紹介をしていた経験もあって、この仕事はニーズがあることも自分のスキルや経験が役に立つことも分かってたし、不動産をテーマにするのもおもしろいなと思ってたから、"関東圏"というくくりで物件紹介を始めました。

ただ、すぐに気付いたんです。神奈川県とか千葉県の物件に、一切テンションの上がらない自分に…。

 

齋藤:テンションの上がらない要因は何でした…?

 

岡野さん:だって知らないんだもん(笑) そりゃそうだよね。

そんな寄り道を経て、俺埼玉なら詳しいし、東京に住んでる人の気持ちもわかるなって。

埼玉しか知らない人が埼玉いいところだから住みな!って言うのって、個人的になんか違うじゃんって思ってて。

でも東京への憧れもしっかりあって、実際東京に10年住んでた埼玉県民に同じこと言われたら、説得力違うじゃないですか。

そこから『埼玉のお家を東京の人に提案する』っていう今の切り口が見つかりましたね。

埼玉推してる人が赤坂にいちゃダメじゃん(笑)っていうのと、コロナの影響でどこでも仕事ができるようになってきたから、これを機に埼玉に戻ってきました。

 

イマドキ!オフィスも仲間も、出会いはすべてTwitter

 

高橋:今ご実家ではなく西大宮に住んでいるのには理由があるんですか?

 

岡野さん:そうそう、もともとは実家に戻って起業しようとしてたんだけどね、それって起業じゃなくてただの帰省じゃね?って気付いたんですよね(笑)

そんな時、運命の出会いがあったんです。

住んで埼玉のTwitterアカウントで西大宮の好物件を呟いたところ、あまりにも反響が良すぎるから、「この情報は嘘なのでは…?」と不安になってハウスメーカーに問い合わせたんですよ。

「これ本当にこの立地でこの価格?」『そうだよ、今日来て見てみる?』「嘘じゃなかったんだ…。これはやばい。」みたいな感じで。

そこのハウスメーカーがつくっている他の戸建て賃貸に、その日に契約しちゃいました(笑)

ここに住んで事業所にしよう、埼玉の良い家から情報を発信しよう、って確信した瞬間でしたね。

 

▲すんたま(住んで埼玉)ファンの方との集い

 

 

齋藤:今は代表お一人でやられてるんですか?

 

岡野さん:委託でデザイナーとエンジニアがいるのと、あと一人、りゅーた君っていうツイッターで出会った子と一緒にやってるよ。

 

齋藤:Twitterで?!また珍しい出会いですね…!

 

岡野さん:ツイッターだけじゃなくてInstagramもやってるんだけど、インスタの方はツイッターよりもコアな発信をしてて、りゅーた君はどっちも見てくれてたんだよね。それでインスタからDM送ってきたの。

雇って!っていう直接的な感じではなかったんだけど、一緒に働きたいんだろうなぁと思って、興味本位で「事業計画書作ってくれるなら」って提案してみたんですよ。

そしたらたった2日で本当に送ってきてさ。内容も良かったから、いい右腕になってくれそうだなぁって、採用しちゃいました。

 

高橋:そういえば、私と岡野さんのやりとりもツイッターですもんね(笑)

 

齋藤:時代を感じますね…!

 

Twitterアカウント:合理的に考えて埼玉 『住んで埼玉』

 

▲りゅーた君とご飯兼取材。そんな1日の一コマ。

 

「住んで埼玉TOKYO」?!一見最大の矛盾に見える新事業名を謳う真相は?

 

高橋:今後の展望を教えてください!

 

岡野さん:郊外にいるのに東京レベルのビッグビジネスができたらカッコいいじゃん!と思ってて、埼玉から純粋なスタートアップで初⁉の上場企業になる、という構想はありますね。

上場したい、とかではなくて、上場してやっとスタート位置に立てるかなと。

 

齋藤:今後進める予定の事業はあるんですか?

 

岡野さん:ありますよ!その名も「住んで埼玉TOKYO」

 

高橋・齋藤:「「?住んで埼玉トウキョウ・・・?(困惑)」」

 

岡野さん:僕、埼玉は大人の街だと思ってるんですよ。

だから若者はまだ来るな、って。埼玉出身の人も一旦東京に住んで、東京を遊びきって、それに満足したら埼玉に戻ってきなさいって、そう思ってます。

だってそれやらないと、もやもやが残るじゃないですか。

大人になって最終的に埼玉に戻ってくる自分みたいな人生をおすすめしたいから、「住んで埼玉TOKYO」なんです。

 

Twitterアカウント:冷静にまだ東京 『住んで埼玉TOKYO』

 

"正当に評価されていない残念さ"こそが埼玉の最大の魅力

 

齋藤:結局、岡野さんから見て埼玉の魅力ってどこだと思います?

 

岡野さん:愛着は一旦置いておくとして…

やっぱり、正当に評価されていないところかな。

正当に評価されていないからこそ、アクセスの割に土地が安いんだろうなと感じます。

あまりにディスられすぎてるけど、そんなに安い場所じゃないぞ!ってね。

 

齋藤:(はげしく頷く)

 

岡野さん:千葉や神奈川とアクセス同じくらいか、もしくはもっと近いところだってあるのに、ノンブランドだから圧倒的に安い!

西大宮なんて西船橋レベルにアクセス良いのになぁ(笑)

 

それに、田舎すぎないから面倒なご近所付き合いとかもないでしょ?

でも、全くないのも寂しくて、ちょっとはほしいじゃない?(笑) そこの丁度良さがいいんだよね。

 

齋藤:分かります…!

町全体に個人情報がダダ洩れ、みたいなことはないけど、ご近所さんが畑でできたお野菜くれる、みたいな温かさはあるんですよね。

 

岡野さん:湘南とか鎌倉、茅ヶ崎、伊豆辺りの街に住むのって、ちょっと前は新しかったんだけどもうメジャーになってきてるから、これからは、埼玉で「あえて」外す、みたいな。

オシャレだと思ってあえて外して着てみたけど、なんだかんだ採寸バッチリでめっちゃ着心地いい、みたいな感じ!

王道行きたくない人には埼玉が本当におすすめなんだよな~。

 

草加、春日部、入間、狭山 etc. 君はまだサイタマを知らない!

 

齋藤:埼玉大好きな私でも、正直まだまだ知らない場所がいっぱいあるんですが、岡野さんはどうですか?

 

岡野さん:埼玉に戻ってきて1ヶ月半経ったけど、知らない場所、めっちゃあります。(笑)

 

齋藤:やっぱり!そういう場所に偵察に行ったりもされるんですか?

 

岡野さん:行きますねぇ。草加とか、すごい良かったですよ。

ほぼ足立区じゃんっていう東京への近さに加えて、おしゃれなお店とかもあって、さらに美男美女も多くて。

なのに昼から飲んでるおっちゃんもいて、なんだか安心するというか(笑)

ちょっとマイナーだけど新田(しんでん)駅とかもディープなスナックが20軒くらい並んでて、最高に渋かったですね。

 

東京をある程度かじったなぁって人は、浦和辺りに住んで埼玉のディープスポット飲み歩く、みたいな過ごし方も楽しいだろうなと思います。

 

齋藤:そんな人生送りたいです・・・!

 

取材を終えて、あとがき。@大宮駅

 

高橋:やっぱり地元への愛が伝わる方のお話って、興味もそそられるし聞いてて幸せな気持ちになれるよね。

 

齋藤:途中からお仕事でインタビューしてる!っていうより、居酒屋で隣の席になったお客さんのありがたいお話を聞いてる気持ちになってました。

埼玉への愛が深まっちゃったなぁ…。

 

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住んで埼玉の今後がとっても楽しみです!

岡野さん、素敵なお話をありがとうございました!

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